作り目のことを思った日

日常エッセイ

朝、いつも通りだった。

弁当を作って、朝食を用意して、

白湯を飲んで、少し落ち着く。

息子はゲームをしていた。

私は、

ドラマを流しながら編み物をしていた。

最近、少しずつ、

息子の様子が変わってきている気がする。

ハグしてと言う回数が減ったり、

一人でゲームに集中していたり。

前よりも、

少しだけ外に向いている感じがする。

その日も、

それぞれの時間を過ごしていた。

私は編み物、

息子はゲーム。

同じ部屋にいるけど、

それぞれ別のことをしている時間。

ふと、手元を見た。

編み物の「作り目」。

まだ形にはなっていないけれど、

これが土台になる。

ここが崩れると、

この先もうまく編めなくなる。

息子も、今、

そんな時期なのかもしれないと思った。

まだ形になっていないけれど、

大事な土台を作っている途中。

無理に引っ張ると、崩れる。

でも、ゆるめすぎても、形にならない。

ちょうどいい力で、

支えていくしかない。

できているかどうかよりも、

崩れないこと。

それが今は大事なのかもしれない。

その日は、

特別なことは何もなかった。

でも、

見え方が少し変わった日だった。

作り目は、 すぐには形にならない。

それでも、 大切なところはちゃんと育っている。

そんな気がした。

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